ハノイの住民から感じた、ハノイ一番の魅力

2015年の夏にハノイに一人旅に行ってきた。

なんとなく東南アジアに行きたかったのと、「ニコラスならベトナムのハノイとか好きなんじゃない?」勧められたことがきっかけだった。本当にそれくらいの理由でハノイに行った。そして結論から言ってしまえば、自分はハノイにドハマリした。街の活気や人々のパワーを見て、生きていくための力強さを日々ハノイの住民から感じた。

ハノイは小さな街で2日もあれば観光名所は回れてしまうんだけど、滞在中5日間の多くの時間を中心部の市街地で過ごした。そこで人の生き様をずっと見ていた。それだけで十分刺激的だったのだ。

ハノイについて

ハノイはベトナムの首都だ。ホーチミンのほうが有名なので、首都だと認識されていない感じはオーストラリアでキャンベラの代わりに、シドニーが首都だと思われている感じと似ている。

ハノイとホーチミンの位置関係

人口は650万人程度だが、人間よりバイクのほうが多いと言われていて、それはハノイに着いたらすぐに実感することが出来る。信じられない量のバイクが信号も完全に無視しながら道路を縦横無尽に走り回っていて、まるで無法地帯のようだった。

最初は横断歩道でさえ渡ることが難しいのだが、慣れてくると手を上げながら無理矢理渡るという方法がちょっと怖いけど一番早いということがわかってくる。

迫りくるバイクの大群

 

有名な話だけど人間より多いシリーズで言うとニュージーランドでは人間よりヒツジの数が多い。人口が440万人なのに対して、ヒツジの数はなんと3,190頭。そしてヒツジでいうと僕はこの動画が大好きだ。1年に1回のペースで見ては笑っている。

わんこビール

ハノイについた初日の夜、僕は早速飲み屋街に向かって、噂に聞いていた「ビアホイ」を探しに行った。ビアホイはハノイ名物の一杯15円で飲めるビールで、水で少し薄めた酸っぱいビールのような味がする。とても美味いとはいえないけど、どこかクセになるような味がする。何から作っているかもわからない謎だらけの液体だ。

僕はすぐにビアホイがあるお店を見つけたので、中に入り早速ビアホイを頼んだ。すると店員のおじさんが「オ!オ!」と謎の掛け声と共にビアホイを運んでくる。

一緒に肉の炒め物や春巻きを頼み、ビアホイと共に食事を進めていった。

ベトナムの料理は美味い。味付けは日本人の舌に合うものが多く、ビアホイが入っていた僕のジョッキもすぐに空になった。すると先ほどビアホイを運んできてくれたおじさんがすぐにやってきてジョッキを僕のジョッキを持ち上げ、「オ!オ?オ?!」となんかジェスチャーで聞いてきたかと思えば、いつの間にかまたジョッキにビアホイを注ぎ始めた。

いや俺は頼んでないぞ。

そのあともこれを5回は繰り返した。このビアホイルーティンのことを僕は「わんこビアホイ」と呼んでいる。無理矢理止めなかったらおじさんはそれをずっと繰り返していたと思う。

人懐っこいお茶目なおじさんだった。

『ぼったくりが当たり前』のタクシー

ベトナムではタクシーに乗ってはいけない。これは鉄則だ。為替がわからない外国人観光客に対して、タクシー運転手は容赦なくぼったくってくる。

ベトナムの通貨であるドンは桁数が多い。日本の100円は2,000ベトナムドン程度でこれは値段が上がるほど、計算を間違えやすくなる。タクシー運転手たちはそこついていくる。

300円でいけるはずの距離でも平気で3,000円を請求してきて、顔色一つ変えずに「早く金だせ」と強く訴えてくるのでこっちも一瞬うろたえてしまう。これを跳ね除けるためには粘り強く断り続けるしかない。

僕が唯一タクシーに乗った時は、捕まえた魚を逃すまいともはや強引にぼったくろうとしてくるタクシーの運転手と15分以上に渡る攻防戦を繰り広げた。300円が3,000円になったらたったもんじゃない、俺の旅の予算はこんなことで削らせないと粘り続けた結果、「お前なかなかやるじゃないか、今回は見逃してやるよ」と言われてからリリースされた。いや褒めて誤魔化そうとするな。常習犯だろ。

メニューの無い屋台

僕は食費を安く済ませるためにいつも料理はやすい路上の屋台のような場所で済ませていた。今日はここにしようかなととりあえず屋台の椅子に座ってみたのだけど、なかなかメニューが出てこない。5分くらい立つと頼んでもいないフォーが突然目の前に置かれた。

ここはメニューがそのフォーしかなかったのだ。

このフォーには何が入っているのか、というか値段は?とか困惑した表情を浮かべていたら少し離れたところに座っていた観光客が「これは40,000ドン(当時のレートで200円程度)だよ」と教えてくれた。どうやらここでも、突飛な値段を請求されないように観光客同士で値段の情報を伝搬しているようだった。

ベトナムの紙幣。全ての種類にホーチミンが描かれている。

お店のおばちゃんはただドン!と強めにフォーを置いてから、フォーを食べてる客のことをぼーっと眺めていた。日本で見られるようなおもてなしのサービスは全くない。食べ物を作ることだけがサービスとして存在していて、その対価としてお金をもらう。非常にシンプルな構図だった。

あるがままに生きる

ハノイでの5日間の生活を経て、ここの住民は生活においてパブリックとプライベートの姿がシームレスに繋がっていることを感じた。

自分の持っている資産(お店、運転技術など)を活用して、自分のペースでお金を稼いでいる。商売しているパブリックな時間と家族と過ごすプライベートな時間で自分の立ち振舞を変えるような二面性を持った人が少ないように見えた。

わんこビアホイしてきたおじさんはきっと家でもお茶目だし、ボッタクってくるタクシー運転手はきっといつも強気で、メニューの無い屋台のおばちゃんはきっといつも家でもゆるく適当に暮らしていると思う。僕にはとても彼らがそこを別け隔てているようには見えなかった。

そこが自分としてはハノイの一番の魅力だった。みんなが親切ってわけではないけど、上っ面の着飾った姿を見せられるより、ありのままの姿を見せてくれたほうが好感が持てる。そっちのほうが人間味があって面白い。

そんなことを気づかせてくれたハノイの旅だった。

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