煙草のすゝめ

 

夏になった。煙草が美味くない季節だ。

日本の夏のムッとした空気の中で、額に汗を浮かべながら吸う煙草は美味くない。汗をかきながら必死になって日陰や喫煙所を探し、汗と煙と臭いに囲まれながらニコチンを摂取するように吸う煙草は極めてしょうもない。「なんでこんなんなりながら煙草吸ってんだ」と、ふと馬鹿らしくなる。

煙草の吸い方にも良し悪しがある。例えばコーヒーと一緒に吸う煙草は美味いとか、風呂上がりの一服は美味いとかそういうのだ。夏の煙草は総じて難しいが、それでも美味い煙草の吸い方はある。この間キャンプに行って美味い煙草の吸い方を新たにひとつ見つけたので、それも含めて僕のお勧めする煙草の吸い方をいくつか紹介したい。

 

キャンプ × 朝 × グレープフルーツ

相模湖みの石滝キャンプ場の朝

キャンプの朝は何を食べるか?お勧めはグレープフルーツだ。手間を惜しまず綺麗に薄皮まで向いて、後は口に入れるだけという状態でお皿に用意すると良い。僕はキャンプの朝に時間をかけてゆっくりとグレープフルーツの皮を剥くのがすごく好きだが、剥き終わった後にそのグレープフルーツを食べながら煙草を吸うのが最高に好きだ。

グレープフルーツには独特の酸味と苦味があって、口をサッパリさせてくれる。煙草の煙はどうしても口の中の感触を不快にするが、グレープフルーツがそれを相殺してくれる。歯磨きの後に煙草を吸うのが美味いのと同じ原理だ。
さらに、グレープフルーツ自体の体に良さそうな味が煙草の害を中和してくれるような錯覚を生み出す。(もちろん錯覚だ。)体に良さそうなものと同時に摂取することで、なんとなく体に良い気がするという「おまじない」だ。これは僕がR-1を飲みながら煙草を吸うのが好きなのと同じ理由だ。(R-1の場合はついでに喉のイガイガを取ってくれる。)

 

雪山 × 昼 × イエガーマイスター

スイスのアルプスは圧巻だった。これは無料素材だが。

煙草は総じて冬が美味い。煙がそもそも温度が高くなると味が変わってしまうということもあるらしいが、そんなことより、ただ単に寒い屋外で白い息と共に煙をフゥーっと吐き出すときの気持ち良さは夏とは段違いだ。その最たるものが雪山で吸う煙草だ。

これは高校時代をスイスで過ごした「マモル」という友人に教えてもらった、雪山の最高の楽しみ方だ。リフトでゲレンデの上に上がって、雪の中で冷やしておいたイエガーマイスターのボトルからキャップ一杯分をカッと飲み、煙草を一本吸う。雪山の中腹で、イエガー独特の歯磨き粉の味と強めのアルコールが体を中から温めて目を覚ましてくれる。寒い外と温かい体内のギャップ、そしてそこから盛大に煙を吹き出すのは爽快の一言だ。
(ただ、ここで注意すべきは節度を守ることだ。スキーやスノボで滑り降りるのであれば自分が怪我をしないようにするのはもちろん、絶対に他人に迷惑を掛けてはいけない。飲酒をするならいつも以上に周りに気を遣おう。)

 

都会 × 夏の夜 × アイス

夏の東京は夜も苦しい。

大学時代、夜中の東京の街で夜通し練習をする機会がたくさんあった。周りはコンクリ仕立てのビル街、夜中でもうだる様な暑さ、眠気や疲れも相まって、とりあえず苦しい。練習の合間に休憩に行くが、体もベタベタしていて煙草の煙や臭いがまとわりつく。美味くない。そんな時は、アイスを食べながら煙草を吸ってみよう。

これは大学時代のチームメート「リョースケ」に教えてもらった必殺技だ。先ほど言った通り、煙草は基本的に冬のが美味い。でも、アイスを食べることで簡易的に口の中だけ冬になる。ちなみに、アイスのお勧めはガリガリ君ソーダ味だ。まずは安いから手軽なこと。それに加えて、サッパリとしたソーダの味わいとザクザクした氷感が夏の煙草の不快感を一掃してくれる。夏の夜中の練習の合間に、コンビニでガリガリ君を買って煙草を吸う。これはキャンプや雪山とは打って変わって、煙草の都会的な楽しみ方だ。

 

まとめ

昨今の嫌煙ブームで喫煙者は肩身が狭くなる一方だ。でも、節度を守って他人に迷惑を掛けなければ煙草は立派な嗜好品だ。であるならば、より美味い吸い方を知ることで楽しみはもっと広がっていくはずだ。

コーヒーと煙草は有名だが、煙草の吸い方はそれ以外にも色々ある。僕が知ってる中でのお勧めを紹介させてもらった。気になった人はぜひ試してみてほしい。そして、僕みたいにとっておきの美味い煙草の吸い方を知っている人がいたらぜひ教えてほしい。どうせなら、しょうもない煙草ではなく美味い煙草を吸いたい。

 

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